寒くなってきて、円筒の灯油ストーブに火をつけた。
ぼうっとしたオレンジ色の炎が癒される。
ル・クルーゼのお鍋をかけて大根とそぼろの煮物をコトコト煮る。
ゆらぐ炎を眺めていると、どうしようもなく心がほぐれていく。
灯油ストーブって、あの独特の匂いがあるでしょう。
私はあの匂いが好きだ。
“冬の景色に溶け込んでいく匂い”というか、静けさに寄り添うあたたかさというか。
その匂いを辿っていくと、子どもの頃の記憶にたどり着く。
❄️ スキー場の食堂で見た、小さな幸せの風景
スキーで冷え切った手。
びしょびしょの手袋。
食堂に入ると、真ん中に大きなストーブがあって、
みんなで手袋を乾かしながら、湯気の立つホットミルクを飲んでいた。
「うちはそんなに裕福じゃなかったはずなのに、どうして毎年スキーに連れて行ってくれたんだろう?」
今になって、あの時間がどれほど贅沢だったのかが身にしみてわかる。
大人になった私の中で、あの“冬の光景”は立派な“資産”になっていた。
💰 お金は、貯めるだけじゃ資産にならない
灯油ストーブの匂いで思い出すあの幸福感は、
銀行口座の残高とはまったく別のところにある“目に見えない資産”。
親が使ってくれたお金は、
あの瞬間で終わらず、
30年経った今でも私の心をあたため続けている。
そんな資産って、減らないどころか歳を重ねるほど増えていく。
だから思う。
お金は「使ったらなくなる」だけじゃなくて、
大切なところに使うと、一生減らない資産に変わるんだな、と。
灯油ストーブの匂いに包まれながら、
そんなことをしみじみ考えた冬の始まり。

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