帰ればシュトレンが待っている女です ― 十二月の守護神

シュトレンって、名前からしてもう格が違う。

「食パン」「カレーパン」「メロンパン」
このあたりの庶民派パンたちと並べるのが失礼なんじゃないかと思うくらい、
佇まいに風格がある。

年に一度、十二月だけ姿を現すレアキャラ。
しかも、高い。パンの値段ではない。

でも私は買う、迷わず。
シュトレンの真の姿を知っているからだ。
シュトレンはパンの顔をしているがパンではない。
あれは守護神なのだ。十二月限定で現れる守護神。

だから家に帰って、
キッチンの片隅で どっしり鎮座しているシュトレン様 を見るだけで、

「まあ…今日のトラブルもシュトレンさえあれば全て解決」
みたいな気持ちになる。

忙しい時に営業電話を受けても、
家族から“今日弁当いらない”を朝7時に言われても、
レジで前の人が大量の支払いを小銭で始めても。

──心のどこかで
「帰ればシュトレン様がいるんだ」
という謎の精神安定剤が働く。

なんというか、家に置いてあるだけで
“帰宅後のテンションを上げてくれる存在感”
を放ってるの、シュトレンは。
世の中には“原木”でそれをやってる人もいるけど、
私の場合は、この子。

自分の暮らしにちょっと背筋を伸ばしてくれる存在があると、
不思議と毎日がやわらかくなる。

シュトレンって、
精神的サポート力が強い。

“十二月のメンタルサプリ”ともいえる。

リボンをほどき包み紙を開けると
これでもかとかけられた粉糖に包まれて
真っ白に輝くシュトレンは
贅沢に使ったバターとお砂糖で
ギルティな存在だけれども
薄く切った一切れでは済まない中毒性がある。

でもいいの、この時期しか食べられない特別な味だから。
一年がんばってきた大人の特権なのだ。

今年もあと1ヶ月、シュトレン様の力を借りながら乗り切ろうと思う。

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この記事を書いた人

菊池百合子|50代・飲食店経営・海と山のある地方都市在住
家を手放して暮らしを再設計し、
50代からのお金・不動産・介護・働き方を整えてきた生活者です。
不動産売却の実体験、介護と仕事の両立、NISAや高配当株の運用など、
「人生後半を軽やかに生きるヒント」を等身大で発信しています。

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