【自宅売却物語第六話|売り出し価格を3980万円にした理由。自宅売却は「値付け」で9割決まる】

不動産会社2社と一般媒介契約を結び、
いよいよ次に決めなければならないのが売り出し価格だった。

ここが一番難しく、
そして一番重要なポイントだと思う。

高く売りたいのは当然。
でも、高すぎれば売れない。
安すぎれば、あとから後悔が残る。

不動産の価格には、
「これが正解」という答えがない。

だからこそ、
感情ではなく、
戦略として価格を決める必要があった。


売り出し価格は「売主が決められる」

意外に思うかもしれないけれど、
仲介で売る場合、
最終的な売り出し価格を決めるのは売主だ。

もちろん、不動産会社はアドバイスをしてくれる。
でも、「この価格で出してください」と
強制されることはない。

つまり、
責任はすべて自分に返ってくる。

ここで安易に
「査定で一番高かった金額にしよう」
と決めるのは、少し怖かった。


高く出して、あとで下げればいい? 本当にそうか

よく聞くのが、
「最初は高めに出して、反応がなければ下げればいい」
という考え方だ。

理屈としては理解できる。

でも、私はこの方法に
どうしても引っかかりを感じていた。

不動産ポータルサイトでは、
価格の変更履歴が残る。

何度も値下げされている物件は、
「売れ残っている」
「何か問題があるのでは?」
という印象を持たれやすい。

最初の価格設定は、
思っている以上に重要なのだ。


参考にしたのは「近所の新築建売」

私が価格を決めるうえで、
一番参考にしたのは
近隣で売りに出ていた新築建売住宅だった。

立地はほぼ同じ。
間取りも似ている。

条件としては、
かなり近い比較対象だった。

その新築建売の価格を見たとき、
私は一つの基準ができた。

「この家と同じくらいなら、
検討対象になるかもしれない」


中古は不利。でも、それだけじゃない

もちろん、
築9年の中古住宅は、新築より不利だ。

でも一方で、
私の家は大手ハウスメーカーの注文住宅だった。

  • 素材へのこだわり
  • 設備のグレード
  • 間取りの工夫
  • 9年前よりも建築コストが上がっている現実

今、同じ品質の家を建てようとしたら、
当時よりも
2割近く高くなると言われている。

この価値を、
きちんと伝えられるなら、
新築と同じ土俵に立てる可能性はある。

そう考えた。


4000万円の「見えない壁」

ここで、もうひとつ重要な視点がある。

不動産を探す人の多くは、
スーモなどのポータルサイトで
価格帯を指定して検索する。

地方の中古住宅で、
4000万円以上を検索条件に入れる人は、
正直かなり少ない。

4000万円を超えた瞬間、
検索結果に表示されなくなる人が
一気に増える。

だから、
「4000万円未満」であることは、
数字以上の意味を持つ。


なぜ3980万円なのか

こうして考え抜いた結果、
私が決めた売り出し価格は
3980万円だった。

  • 4000万円未満
  • 新築建売と同価格帯
  • 心理的に「手が届く」印象
  • 値下げ余地を残せる

不動産会社の査定額は、
3780万円。

そこから200万円上乗せした、強気だけど無謀ではない価格だ。

この価格で市場の反応を見る。
反応が薄ければ、
そこから慎重に調整すればいい。

そう腹をくくった。


値付けは「希望」ではなく「設計」

このとき、
はっきりと意識していたことがある。

価格は、
願望を乗せるものではない。

どういう人に、どう届いてほしいか。
その設計図を、
数字に落とし込む作業だと思っていた。

高く売れたらラッキー、ではない。
売れる可能性と納得感のバランス。

それを一番大事にした。


この価格で、勝負する

3980万円。
簡単に決めた数字ではない。

でも、
ここまで考え抜いたからこそ、
迷いはなかった。

あとは、
この価格で市場がどう反応するか。

正直、
少しの不安と、
それ以上の覚悟があった。

売却は、
いよいよ実戦フェーズに入った。


次回は、
広告の出し方と「買主のイメージ」をどう作ったか。
ペルソナ設定と、
不動産広告で意識したことについて書こうと思う。

価格を決めたら、
次に考えるのは
「誰に、どう届けるか」だった。

——続きます。

自宅売却シリーズのまとめはこちら

▶︎第七話はこちら

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この記事を書いた人

菊池百合子|50代・飲食店経営・海と山のある地方都市在住
家を手放して暮らしを再設計し、
50代からのお金・不動産・介護・働き方を整えてきた生活者です。
不動産売却の実体験、介護と仕事の両立、NISAや高配当株の運用など、
「人生後半を軽やかに生きるヒント」を等身大で発信しています。

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