夫の昔の趣味仲間たちが、夫の誕生会を計画してくれました。
とはいえ今の夫には、外に出て長く過ごすのは体力的に厳しい。
そこで彼らが提案してくれたのは──
オンライン飲み会。
「それなら無理なく参加できるよね」と、自然に言ってくれる仲間たち。
その何気ない一言に、私はすでに胸が熱くなりました。
画面の向こうで久しぶりに再会した顔。
気の置けない笑い声。
いつもの軽口。
夫の目尻には、懐かしい仲間を見つめる優しい光が宿っていました。
そして私も、少しだけお酒をいただきながら、その時間を静かに味わいました。
コロナが私たちの生活を大きく変えたことは確かだけど、
その中で生まれた“オンラインで繋がる文化”が、
こうして私たちの救いになっているんだと思います。
夫は体力的に難しいことが増えたけれど、
繋がり自体が途切れたわけではない。
形を変えて、ちゃんとそばにいてくれる。
その事実が、私の心まであたたかくしたのです。
あの時間を過ごしながら、ふと思いました。
ああ、これが私たちの“無形資産”なんだ。
お金では買えないもの。
努力だけでは手に入らないもの。
時間をかけて、信頼を重ねて、育ててきたもの。
夫が長年大切にしてきた趣味仲間は、
彼の楽しみであり、支えであり、人生を豊かにした“財産”でした。
その財産は、今の私たちをも支えてくれている。
趣味の仲間たちは惜しげもなく経験や知恵を提供してくれ、
ネットでは見つからない情報まで教えてくれる。
その思いやりの循環が、どれだけ私たちを助けてくれているか。
私は改めて知りました。
お金はもちろん大切です。
老後の資産形成も、家計管理も、投資も欠かせない。
それは私も日々取り組んでいること。
だけど──
お金はまた稼げるけれど、
無形資産は失ったら二度と手に入らない。
そして、
大切に扱えば、決して減らない資産でもある。
友達、家族、信頼、経験、思い出。
生きてきた時間の中で築いたものこそ、
人生の後半で静かに大きな富を運んできてくれる。
夫の笑顔を見ながら、私は確信しました。
老後の豊かさを決めるのは、金融資産だけではない。
誰と繋がり、どんな時間を積み重ねてきたかという“無形資産”なのだと。
これからの私は、金融資産と同じくらい、
いや、それ以上に──
無形資産を丁寧に育てていきたい。
そう思わせてくれた、やさしい夜でした。
コメント