自宅売却物語全話まとめ
第1話|自宅を手放す決意
第2話|この家売ろうと思うんだけど
第3話|自宅売却、何から始めた?最初にやった3つのこと
第4話|査定額に1000万円の差。不動産会社を比べてわかったこと
第5話|媒介契約は1社じゃなくていい。私が2社にした理由
第6話|売り出し価格を3980万円にした理由
第7話|この家を選ぶのは誰?ペルソナを設定した理由
第8話|内覧は売り込みの場じゃなかった
第9話|売買契約と住宅ローン特約。ここから後戻りできなかった
売買契約が終わり、
引き渡しの日がやってきた。
鍵を渡し、
最後に家の中をぐるりと見回す。
9年間暮らした家。
思い出がないわけがない。
でも、
涙が溢れるような別れではなかった。
どちらかというと、
「役目を終えた」という感覚に近かった。
早く売れすぎた、という後悔はなかった
売却が決まったあと、
よく聞かれる質問がある。
「もっと高く売れたかもしれないって、思わなかった?」
正直に言うと、
その気持ちはほとんど湧かなかった。
価格については、
売り出す前に散々考えた。
相場も見た。
数字の意味も理解した。
自分なりの戦略も立てた。
だから、
早く決まったことに対して
「失敗した」という感覚はなかった。
むしろ、
売れない不安を抱え続けずに済んだことの方が大きかった。
引っ越しと同時に、暮らしを整理した
新居は、賃貸。
以前より、ずっとコンパクトな住まいだ。
当然、
すべての荷物は持っていけない。
引っ越しを機に、
強制的な断捨離が始まった。
- もう読まない絵本は、知り合いの子へ
- ビジネス書や小説はまとめて買取へ
- 夫の趣味だったカメラやオーディオは専門店へ
意外なことに、
思ったより気持ちは軽かった。
「持っていること」より、
今の生活に合っているかの方が
大事になっていた。
賃貸暮らしは、思った以上に快適だった
正直、
賃貸に対して不安がなかったわけではない。
狭くなる。
仮住まいのような感じになるかもしれない。
でも、実際に住んでみると、
驚くほど快適だった。
- 掃除が楽
- 家事動線が短い
- 駅が近く、移動が楽
- 子どもの通学、私の仕事、夫の施設、すべてにアクセスがいい
「暮らしやすい」という感覚が、
毎日の中で確かに積み重なっていった。
家を売ったのは「負け」じゃなかった
自宅を手放すと聞くと、
どこかネガティブな印象を持たれがちだ。
失敗した。
追い込まれた。
仕方なく。
でも、
私にとってはそうではなかった。
これは、
ライフプランが変わったから
資産の置き場所を変えただけだ。
それ以上でも、
それ以下でもない。
持ち家か賃貸か、という問いの答え
この経験を通して、
はっきり言えることがある。
持ち家か賃貸かに、絶対的な正解はない。
大切なのは、
- 人生のステージ
- 家族の状況
- 経済状態
- 心身の余裕
それらに
今の住まいが合っているかどうかだ。
私も、
家を建てたこと自体を後悔していない。
あの家があったからこそ、
守られた時間も、積み重ねた思い出もある。
そして今は、
手放したからこそ得られた
身軽さがある。
長い住宅ローン期間には、何が起きるかわからない
ひとつだけ、
これから家を買う人に伝えたいことがある。
住宅ローンは、
20年、30年という長い時間をともにする。
その間に、
病気、介護、仕事の変化、
子どもの成長、
いろいろなことが起きる。
「まさか」は、
誰にでも起こり得る。
だからこそ、
最悪のケースも想定したうえで
判断してほしいと思う。
手放して、前に進めた
今の生活は、
以前よりずっと静かで、
整っている。
不安がゼロになったわけではない。
でも、
自分で考えて選んだという実感がある。
それだけで、
気持ちはずいぶん違う。
家を手放すという選択は、
終わりではなく、
次の暮らしへの再設計だった。
このシリーズは、
私自身の記録であると同時に、
同じように悩んでいる誰かの
参考になればいいと思って書いてきた。
もし今、
住まいについて迷っているなら。
「こうしなければならない」ではなく、
「今の自分たちに合っているか」を
基準に考えてみてほしい。
選び直すことは、
間違いじゃない。
あとがき 自宅を売って一番考えたこと
自宅を売却するまでの過程は、
単に「いくらで売れたか」だけでは語れません。
・いつ売るか
・どんな人に届けたいか
・どこまでを許容ラインにするか
こうした判断の積み重ねが、
最終的な結果を大きく左右しました。
売却を終えて振り返ると、
価格交渉や内見対応よりも、
実はその前の「考え方」と「準備」がいちばん重要だったと感じています。
そこで、物語本編とは別に、
私が売却のタイミングや条件をどう判断したのかを
スピンオフ記事としてまとめました。
▶【自宅売却物語スピンオフ】自宅売却のタイミング。私が「今だ」と判断した理由
このスピンオフでは、
金利・築年数・価格設定・ペルソナ・感情の扱い方など、
「数字だけでは決めきれない部分」を中心に整理しています。
本編とあわせて読むことで、
自宅売却を より立体的に理解できる構成 になっています。
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