【自宅売却物語第五話|専属専任・専任・一般媒介の違い。私が「2社と契約する」選択をした理由】

仲介で進めると決めたあと、
次に立ちはだかったのが媒介契約という壁だった。

正直、この言葉を聞いたとき、
「また知らない専門用語が出てきたな」と思った。

不動産売却には、
仲介をお願いする際に結ぶ契約の形がいくつかあるらしい。

しかもその選択次第で、
売却の進み方や結果が変わるという。


媒介契約は3種類ある

不動産会社から説明を受けたのは、
次の3つだった。

① 専属専任媒介契約
・依頼できるのは1社のみ
・売主が自分で買主を見つけることもできない
・不動産会社は頻繁に活動報告をする義務がある

② 専任媒介契約
・依頼できるのは1社のみ
・ただし、売主が自分で買主を見つけることは可能

③ 一般媒介契約
・複数の不動産会社と契約できる
・売主が自分で買主を見つけることも可能

説明を聞いた直後は、
「管理してもらえるなら、専属専任が一番安心なのでは?」
そんな気もした。

でも、少し考えてみて違和感を覚えた。


囲い込みというリスク

媒介契約について調べていく中で、
**「囲い込み」**という言葉を知った。

これは、
不動産会社が売主と買主の両方を自社で押さえ、
他社に情報を出さないことで、
仲介手数料を両取りしようとする行為だ。

囲い込みが起きると、
本来ならもっと条件の良い買主が見つかる可能性があっても、
情報が広がらない。

結果として、
売却が長引いたり、
価格を下げざるを得なくなったりする。

もちろん、
すべての不動産会社がそうだとは思っていない。

でも、
仕組みとして起こり得るということを知ってしまうと、
一社にすべてを任せることに不安を感じた。


1社だと「逃げ道」がなくなる

もうひとつ気になったのは、
売却が思うように進まなかった場合のことだ。

専属専任や専任で契約すると、
基本的にその会社に頼りきりになる。

もし担当者と相性が合わなかったら。
もし動きが鈍かったら。
もし判断に迷いが生じたら。

そのとき、
比較対象がない状態で判断しなければならない。

これは、
素人の私にとってはかなりのストレスだと感じた。


多すぎても、少なすぎてもダメ

では、
一般媒介でたくさんの会社と契約すればいいのかというと、
それも現実的ではない。

連絡が増える。
やり取りが煩雑になる。
情報管理も大変になる。

不動産会社からも、
「多すぎると本気度が下がることもある」と聞いた。

そこで考えたのが、
**“ちょうどいい数”**だった。


私が「2社」にした理由

最終的に選んだのは、
一般媒介で2社と契約するという形だった。

理由はシンプルだ。

  • お互いがライバル関係になる
  • 情報が自然に広がりやすい
  • 比較しながら進められる
  • 囲い込みのリスクを下げられる

どちらの会社も、
机上査定の段階から説明が丁寧で、
数字の根拠をきちんと示してくれていた。

「この2社なら、
どちらが先に良い買主を見つけてくれても納得できる」

そう思えたことが、
契約の決め手だった。


契約したからといって、丸投げはしない

一般媒介にしたからといって、
すべてを任せきりにするつもりはなかった。

売却は、
不動産会社と売主の共同作業だと思っている。

こちらも、
価格設定や見せ方について考える。
質問されたら、きちんと答える。

主体はあくまで自分。
その意識を持てたことも、
一般媒介を選んだ理由のひとつだった。


知らないと選べない。でも、知れば怖くない

媒介契約の話は、
正直、少し難しい。

でも、
一度仕組みを理解してしまえば、
必要以上に怖がるものでもなかった。

大切なのは、
「どれが正解か」ではなく、
**「自分の状況に合っているか」**だと思う。

私の場合は、
時間に多少の余裕があり、
納得感を大事にしたかった。

だから、
一般媒介で2社。
この選択に、今も後悔はない。


次回は、
実際にいくらで売り出すかをどう決めたのか。
査定額より200万円高い
3980万円という価格にした理由について書こうと思う。

自宅売却は、
契約を結んでからが本番だった。

——続きます。

自宅売却シリーズのまとめはこちら

▶︎第六話はこちら

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この記事を書いた人

菊池百合子|50代・飲食店経営・海と山のある地方都市在住
家を手放して暮らしを再設計し、
50代からのお金・不動産・介護・働き方を整えてきた生活者です。
不動産売却の実体験、介護と仕事の両立、NISAや高配当株の運用など、
「人生後半を軽やかに生きるヒント」を等身大で発信しています。

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