不安が消えないのは“今しか見えていない”から──未来の自分を参照する技法

※この記事は個人の体験で、医療アドバイスではありません。

夫が難病になってから医師から説明を聞く機会が増えました。
手術や病気の説明を聞くとき、
どれだけ準備していても心は揺れます。

後遺症の可能性。
合併症の確率。
最悪の場合のリスク。

医師は誠実に事実を伝えてくれる。
それは安心材料でもあるけれど、
人間の心は“1%の最悪”のほうに強く引っ張られるものなんですよね。

私も夫の手術説明を受けたとき、
胸の奥が冷たくなるような不安を覚えました。

でも、その不安から私を救った方法があります。

それが──

■ 不安に飲まれそうな日は「未来の私」に聞いてみる

私は不安が大きいとき、
半年後、一年後、五年後の“未来の私” を思い浮かべます。

たとえば──

半年後、手術が終わり落ち着いた表情で夫の横に座っている私。
一年後、「大変だったね」と笑っていられる私。
五年後、別の心配事に頭を悩ませている私。

さらには、
人生の終わり頃に「いろいろあったけど大丈夫だったな」と
静かに振り返っている私まで想像することがあります。

すると、不思議と心が落ち着いてくる。

“私は結局この先も大丈夫なんだ”
という実感がふっと湧くんです。

これはスピリチュアルではなく、
心理学でいう “メタ認知(俯瞰)” に近い技法。

未来の安心をひとつの「参照点」として置き、
そこから今の出来事を見直す方法です。


■ 安心のある未来を前提にすると、今の不安が暴れなくなる

未来の自分が落ち着いている姿を想像すると、
目の前の問題の輪郭がくっきりします。

  • 手術のリスク
  • 介護の不安
  • お金の心配
  • 子どもの将来
  • 自分の体調
  • 仕事の悩み

どれも “人生全体”という長い時間軸の中では、
ひとつの出来事でしかないと気づける。

未来が安心で満たされているという前提を置くだけで、
今の不安がその大きさのまま存在できなくなるんです。

不安は視野が狭い時に膨らむ。
視野が広い時、暴れなくなる。

これは技術。訓練で誰でも身につけられる。


■ 多くの人が不安に飲まれる理由は「今に視界が固定されるから」

人は本能的に、
“今感じている不安”を過大評価してしまう生き物です。

これがあるから──
・些細なことに心が振り回される
・冷静な判断ができなくなる
・誤った選択をしやすくなる
・焦りから危険な選択をしてしまう

そして、
投資詐欺などに引っかかる心理構造もこれと同じ。

未来の視点が奪われると、
人は簡単に「今楽になれる選択」をしてしまう。

だから、未来の私を参照点にすることで
判断がぶれなくなるんです。


■ 未来の私を参照すると“人生の冒険”が怖くなくなる

未来が安心だとわかっている物語は、
途中の山場を受け止めやすくなります。

人生は波があって当然。
手術、病気、介護、仕事、お金、人間関係。

だけど、
“物語の結末は穏やか”という前提を置くだけで
途中の出来事に飲まれなくなる。

私はこの視点に何度も助けられてきました。

だから読者にも伝えたい。

未来は誰にもわからないけれど、
安心のある未来を一つ想定しておくと
今を正しく判断しやすくなる。

この技法は人生をラクにしてくれる。


▼ 今日のまとめ

📌 不安が消えない日の心の整え方
① 不安は“今の視界”だけで膨らむ
② 安心のある未来を参照点にすると視野が広がる
③ 不安がゼロにはならなくても“扱い方”は変えられる
④ 未来の私を参照することは心理学的にも有効な技法


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この記事を書いた人

菊池百合子|50代・飲食店経営・海と山のある地方都市在住
家を手放して暮らしを再設計し、
50代からのお金・不動産・介護・働き方を整えてきた生活者です。
不動産売却の実体験、介護と仕事の両立、NISAや高配当株の運用など、
「人生後半を軽やかに生きるヒント」を等身大で発信しています。

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