面倒くさい用事がくれた、小さな幸福の午後──古い商店街で気づいたこと

今日は、ちょっとした用事のために車を走らせました。
正直、出かける前は少しだけ億劫で、
「明日でいいかな…」なんて気持ちがよぎったのも事実です。

でも、面倒なことこそ早く片づける。
そうやって自分に小さな“喝”を入れて出発した午後でした。

用事はあっけなく終わり、せっかくなので近くの商店街を歩いてみることに。
その商店街は、少し古びていて、
シャッターの降りたお店と、昔ながらのお店が静かに混ざり合っているような場所でした。

八百屋さんの店先には、濃い紫色のシクラメンが並んでいて、
冬のはじまりの空気の中で、花びらだけが凛としていました。
季節の色って、どうしてあんなに心を落ち着かせてくれるんでしょうね。

すぐ近くの小さな和菓子屋さんでは、
手編みのエンジのチョッキを着たおばあちゃんが、
ゆっくりとした呼吸のような動作で店番をしていました。

ああ、この街にはまだ “時間の流れ方” が残っているんだな。
そう思った瞬間、胸の奥の力がふっと抜けたんです。

シクラメンを買って、どら焼きをひとつ買って、小さな神社にお参りして。
ほんの数十分の散歩なのに、
自分の中に静かな水面が広がっていくのがわかりました。


面倒だからと後回しにしていたら、
今日のこの景色には出会えなかった。

忙しさや不安に心がざわつくとき、
私たちはつい「特別な癒し」を探してしまいがちだけれど、
本当のところ、心を整えてくれるのはこんな“日常のほころび”なのかもしれません。

誰かの優しさでもなく、
高価なものでもなく、
ただ季節の色や、古い街の静けさや、
どら焼きの甘さに触れるだけで
心の奥にそっと明かりが灯る。

今日の午後、私はそれを思い出しました。

「動くと、道が開ける」
そんな言葉の意味を、静かにかみしめながら帰りました。

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この記事を書いた人

菊池百合子|50代・飲食店経営・海と山のある地方都市在住
家を手放して暮らしを再設計し、
50代からのお金・不動産・介護・働き方を整えてきた生活者です。
不動産売却の実体験、介護と仕事の両立、NISAや高配当株の運用など、
「人生後半を軽やかに生きるヒント」を等身大で発信しています。

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