今日は、ちょっとした用事のために車を走らせました。
正直、出かける前は少しだけ億劫で、
「明日でいいかな…」なんて気持ちがよぎったのも事実です。
でも、面倒なことこそ早く片づける。
そうやって自分に小さな“喝”を入れて出発した午後でした。
用事はあっけなく終わり、せっかくなので近くの商店街を歩いてみることに。
その商店街は、少し古びていて、
シャッターの降りたお店と、昔ながらのお店が静かに混ざり合っているような場所でした。
八百屋さんの店先には、濃い紫色のシクラメンが並んでいて、
冬のはじまりの空気の中で、花びらだけが凛としていました。
季節の色って、どうしてあんなに心を落ち着かせてくれるんでしょうね。
すぐ近くの小さな和菓子屋さんでは、
手編みのエンジのチョッキを着たおばあちゃんが、
ゆっくりとした呼吸のような動作で店番をしていました。
ああ、この街にはまだ “時間の流れ方” が残っているんだな。
そう思った瞬間、胸の奥の力がふっと抜けたんです。
シクラメンを買って、どら焼きをひとつ買って、小さな神社にお参りして。
ほんの数十分の散歩なのに、
自分の中に静かな水面が広がっていくのがわかりました。
面倒だからと後回しにしていたら、
今日のこの景色には出会えなかった。
忙しさや不安に心がざわつくとき、
私たちはつい「特別な癒し」を探してしまいがちだけれど、
本当のところ、心を整えてくれるのはこんな“日常のほころび”なのかもしれません。
誰かの優しさでもなく、
高価なものでもなく、
ただ季節の色や、古い街の静けさや、
どら焼きの甘さに触れるだけで
心の奥にそっと明かりが灯る。
今日の午後、私はそれを思い出しました。
「動くと、道が開ける」
そんな言葉の意味を、静かにかみしめながら帰りました。
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