ある日のこと。
いつもどおり仕事をしていたら、厨房の業務用洗浄機が突然壊れた。
毎日フル回転させているものだから、これが止まると営業に支障が出る。
急いで業者さんに連絡したら、すぐに若い技術者の方が来てくれた。
原因を調べ、部品を見て、どうやら手持ちのもので修理できそう。
黙々と作業する姿に「良かった、今日中に直りそうだ」と胸を撫でおろした時だった。
■ ブシャーーー!と、厨房に滝が降る
なぜか、水道管の元栓の下を壊してしまったらしく、
勢いよく水が噴き出した。
彼は頭から水をかぶり、厨房は一瞬で水浸し。
でも、若い子が必死で直してくれている姿を見ると怒る気にもなれない。
「大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
そう言うので、外の元栓を締め、作業を続けてもらう。
■ そして再び、ブシャーーー!
数分後、デジャブのようにまた噴き出す。
接続が甘いのか、部品が合わないのか。
理由はわからないけれど、とにかく水が止まらない。
それでも彼は「大丈夫です」と言うので、こちらも様子を見守った。
■ そして三度目の、ブシャーーーー!
ここまでくると、ちょっと面白くなってくる。
いや、大変なんだけどね。
でも、流石に三回目ともなると確信した。
「この方法では、たぶん直らない。」
そこでやっと、私は口を開いた。
「このまま続けても埒があかないと思うから、
直せる人を連れてきてもらえますか?」
ほどなくしてベテランの技術者さんが来て、あっという間に解決。
厨房の床は3回の水浸しでピカピカになっていた。
■ この出来事で気づいたこと
帰り際にふと思った。
あれ、これ…私もやってるな。
何かうまくいかない時、
いつもと同じ考え方、同じ行動、同じ習慣で突破しようとして、
「なんでうまくいかないんだろう」とぼやく。
でも本当はシンプルで、
■ 同じ未来を見たいなら、同じやり方でいい。
■ 違う未来を見たいなら、違う方法を選べばいい。
ただそれだけなんだよね。
失敗しても直そうとする若い彼を見て、
「過去と同じやり方に固執していないか?」
そんな問いが自分に返ってきた。
そして、変えてみた瞬間、
新しい人、方法、未来がスッと現れて道が開いた。
人生って案外そういうものなのかもしれない。
■ 【やさしい余韻】
水浸しの床がピカピカになったように、
失敗やトラブルのあとには、
思わぬ“整う時間”がやってくる。
あの日の厨房を見ながら、そんなことを思った。
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