アラフィフになった今、
ようやく素直に認められるようになった。
“にげる”というコマンドは負けではない。
むしろ、生き抜く者だけが使える最高の作戦だ。
子どもの頃、夢中になっていたドラクエⅡ。
あの冒険の中で、私は何度も“にげる”に助けられた。
ロンダルキアで、
絶望みたいな強敵に囲まれた時。
MPが尽きて、回復もできず、
このまま戦ったら全滅すると分かっている時。
そんな時、
“にげる”を選ぶことが唯一の正解だった。
そして今思う。
人生もまったく同じだ。
■ がむしゃらに戦い続ける時代は終わった
私はこれまで、
どんな問題にも正面から突っ込んでいくタイプだった。
気合、根性、そして体力。
それさえあれば何とかなると思っていた。
でもアラフィフになると、
人生は自分だけでは完結しない。
・介護
・家族のこと
・店の運営
・仕事の責任
・家事
・心のケア
全部が同時に動き出す。
なのに私は昔のクセのまま、
フル装備で常に“たたかう”を選んでいた。
その結果、
ある日、本当に倒れた。
HPゼロ。
宿屋にも戻れない。
目の前が真っ暗になるような感覚。
人生の画面が、一瞬止まった。
■ 倒れるくらいなら“にげる”ほうが100倍いい
あの日、布団から起き上がれなかった時、
心の底から思った。
このまま物語がここで終わったら、絶対に後悔する。
そこで初めて気づいた。
真っ向勝負ばかりするのは、
かっこよく見えて——
全滅リスクが高すぎる。
ドラクエで言えば、
ロンダルキアでMP0なのに突っ込んでいくようなもの。
それ、勇気じゃなくて無謀。
人生には、
「回避」というコマンドが必要だったんだ。
■ “逃げる”は敗北じゃなくて、生き残るための戦略
私はこれまで
「逃げる=負け」
だと思っていた。
でも今は違う。
逃げるって、本当は
状態異常(疲労・ストレス・HP減少)からの回避行動
なんだよ。
嫌な環境から離れる。
合わない人との距離を取る。
体力が限界なら眠る。
仕事を調整する。
仕組み化して負荷を減らす。
これ、全部
**戦略的な“にげる”**なんだ。
ドラクエではよく見えるけど、
人生ではなぜか忘れてしまいがちな大事な選択肢。
■ 店を休んで沖縄に逃げた日——あれは“にげる”の正解だった
介護・仕事・家事を
ほぼ全力で1年間続けた時期がある。
「店は絶対に休めない」
「家族のために働かなきゃ」
「旅行なんて贅沢だ」
そんな“思い込みの呪い”にかかっていた。
でも倒れたことで、
その呪いが解けた。
人生で初めて、
店を二週間休んで、沖縄に行った。
当時の私にとっては、
恐ろしい決断だった。
店を休めば収入が減るし、
旅に行けばお金が出ていく。
RPGで言えば、
所持金がギリギリなのに
宿屋でしっかり休むような勇気がいった。
でもその“休息の旅”が、
人生のフラグだった。
あの日から私は、
逃げることを肯定できるようになった。
■ 続けるためには、“にげる”ことも必要だ
全滅したら旅は終わる。
でも逃げれば、次の街にたどり着ける。
人生って、そこが本当に似てる。
・逃げないまま戦い続けて倒れるか
・逃げて立て直して、物語を続けるか
答えは決まってる。
人生は続けてなんぼ。
だから逃げるのは、生き方そのものだ。
■ おわりに
アラフィフからの人生は、
根性で突破するフェーズじゃない。
これからは、
賢さと柔らかさを装備して進む旅。
必要な時は戦う。
必要な時は逃げる。
必要な時は休む。
そうやって回避しながら進むほうが、
旅はずっと長続きする。
“にげる”は恥じゃない。
“にげる”はチカラだ。
“にげる”は、次の一歩をつくるコマンドだ。
私はそう思っている。

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